『紙魚の手帖』vol. 09に短篇を寄稿しています
卿の一〇〇七番目の息子ピュリジオンは不死の形質と美貌の形質がともに遺伝するという俗信に対する反証であって惜しまれて世を去ったが、九九六番目の息子シュライリクはもうひとつの反証として凡庸な容姿を持ったまま永遠を生きることを余儀なくされた。
(本文冒頭)
2月10日発売となる『紙魚の手帖』vol. 09の特集「2023早春・若手作家の宴」に新作短篇「不死者の物語——肖像画家」を寄稿しています。
「その画家の青年は、
時代や場所を超えてあちこちに現れる。
定命の人々の間で、静かに長い時を生きている」
(扉紹介文より)
不老不死の一族のこと。
限りある命の人々と不死の人々との間で繰り返される婚姻。
生まれてくる子供たちは不死か、それとも死ぬさだめか。
そんなお話です。
扉絵はsanaさんにお願いしました。
永遠と無常とを感じさせる、ほの暗くもどこかやさしい絵を描いてくださいました。
お読みいただけたら嬉しいです。
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